父との思い出

ボクの両親はボクが10歳の時に離婚して父とはそれ以来会ったことがありませんでした。
いろんな方に迷惑をかけて逃げるようにいなくなった父…離婚した後も音信不通でどこで暮らしているのかも分からないそんな状況でした。

そして、ボクが高2の時、その父から突然家に電話がありました。離婚した後、引越しもして電話番号も変わっていましたが、親戚を伝に調べて電話をしてきたのです。
そして、家の近くに来ているから少しでも子供たちに会いたいとのことでした。
思春期真っ只中のボクとしては家族に迷惑をかけ、母に苦労させた父親の顔なぞ二度と見たくない…との強い思いから、会うのを拒否。
父からの電話にも出ることなく、冷たくあしらってしまいました。

それから1年くらい経った頃、父方の親戚から父が亡くなったと聞かされました。

元々持病のあった父…
あの電話をしてきた時には何かを覚悟していたのかも知れません…

既に父親の年齢を超えた自分、人の親となった自分、離れて暮らしていても自分の子供のことは決して忘れない…

父があの時、どんな思いで電話をしてきたのか…
それを思うと一目会っておけば良かったと今でも後悔します。

本部長と同じように、一度でいいから父親と一緒に酒を飲みたかったな…と今でも酒を飲む度に思います。

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