本日の案件
本部長、秘書、リスナー社員の皆様お疲れ様です。
私の無くしてしまったものは、成人のお祝いに父に買ってもらった腕時計です。
当時学生だった私はアルバイトはしていたのですが、その収入のほとんどをサークル活動に充てていました。なので服や装飾品といった身嗜みに使うお金はほぼなく、ましてや時計なんて2,3千円程度の安いものを使ってました。
二十歳の誕生日を控えた週末、父は私に「成人のお祝いに何が欲しい?」と聞いてきました。毎年誕生日プレゼントは大体母伝いに希望を言っていましたが、「さすが成人!珍しいこともあるものだ」とちょっと嬉しくなっていると「折角だからいいモノ、長く使えるモノがいいよな?」と父。「よし、時計はどうだ?あまり高すぎると困っちゃうけど…そうだ!一緒に観に行こう!」と突然決まりました。
父と母、それに弟も連れて家族みんなで最寄りの電気屋へ。あれがいいか?それともこっちか?と本人以上に熱心に観て回る父。そして数十分の格闘の末そこそこ値の張るモノに落ち着きました。
あの時の父と母の嬉しそうな顔は今でも忘れられません。
それから一年後
就活で多くの会社に説明会に出ていた私は、なにかのタイミングで思い出の腕時計を紛失してしまったのです。
焦った私は気がついたその足で当時の電気屋に行き、今の手持ちで買える一番高くて形状が似たやつを購入。ベルトも付け替えてなるべく親から見えないように保管しました。
時計を紛失してしまったこと、まだ親には言えていません。でも今更出てくるとも思えず、墓まで持っていこうかと思っています。
ポテトフ
男性/--歳/神奈川県/会社員
2020-07-08 15:42