ホントに見たんです！案件 〜誰も信じてくれない話〜

本部長、秘書、お疲れさまです。
私が23歳の時、夏の終わりの温泉旅行を友人三人でしたことがありました。奥日光に行き、温泉を満喫した夜のことです、坂の途中に古びた民家があり、心霊スポットであると聞いた私たちは、懐中電灯を片手に、その場所に車で向かいました。その民家はガラス窓が割れていて、屋根瓦も朽ち果て、ドアは半分取れ欠けていました。一通り外から見て回りましたが、特に何かが出る様子もなく、私たちは車に戻りました。エンジンをかけ、坂道を降りようとしたとき、叫び声が聞こえたのです。私は後部座席にいましたので後ろを振り向くと、血の付いた包丁を振りかざした男が、赤ん坊を乗せてベビーカーを押しながら走っている、傷ついた女性を追いかけていたのです。私は車から飛び出し、女性を誘導しました。坂の下にある店に行くように促し、追ってくる男性の気を引くため、民家の裏に回り込みました。男の気配を感じながら、友人の待つ車に駆け込み、車を出発させたのです。後ろを振り向くと男は追いかけてきていましたが、そのうちに見えなくなりました。坂の下にあるお店の店員に、ベビーカーを押した女性が来たかと聞きましたが、店員は首を横に振ったのでした。私が車に戻ると、友人は一言「あの女性おかしいよ。だって、ベビーカーに乗せていた赤ん坊、人形だったぜ」と。私たちが見た、あの光景は、一体何だったのでしょうか。稲川淳二さん教えてください

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