案件
20代の頃、仲間うちで溜まり場にしていた友達のアパートがあったんです。
毎晩のように、何人かで集まっては、タバコすって、酒飲んで、バカ話したり、麻雀したり、女の子が遊びにきたり。
家主がいなくても、勝手に上がり込んで、コタツで寝てしまったり、自分もよくありました。
やがて、就職して、みんな時間が合わなかったり、家主も結婚を期にアパートを引き払ったりして、7~8年くらいたった頃、久しぶりに居酒屋で、その時の仲間が集まったんですけど。
ふと家主が「実はあのアパートの部屋。出るんだよ…」と話始めたんです。
人間の足だけの影というか気配というか、よくわからないけど、確実に誰かがそこにいる、という状態で、部屋の中を歩いて通り抜けていくんだ、と。
「台所の扉から現れて、出窓へ抜けて消えてしまうんだ」
と、話終えたところで、また違う一人が
「オレも、幻か寝ぼけていたからか、わからなくて、誰にも言えなかったけど、見たことがある。でも、オレが見たのは、出窓から台所へ通り抜けていったぞ?!」と。
みんなでゾーっとして「行ったり来たりしてたのかーい?!」と(笑)
ま、自分は何度も独りで寝泊まりしたこともありましたが、まーったく、なーんにも、感じたことはなかったですけどね(  ̄▽ ̄)
コーギモモ
男性/58歳/神奈川県/飲食業
2020-07-23 09:24