爺ちゃんと猫
本部長、秘書、リスナー社員の皆様お疲れ様です。
初書き込みです。
私が中学生の頃、死んだ爺ちゃんがまだ入院中だった頃の話です。
当時家にはブチという猫を飼っていて、その猫も、なかなかの高齢と相まって、家ではもう外には出ず、家では寝てばかりでした。家族も、そろそろかな、という予感はあり、ある日とうとう目も開けず、呼吸をするだけの、いわゆる危篤状態になりました。
こんなタイミングで入院中の爺ちゃんにブチの危篤を教えるのは縁起が悪い、ということで家族はブチの危篤は爺ちゃんには秘密にしておこう、ということになりました。
それから数日経ったある早朝、とうとうブチは旅立ってしまいました。当時、私にとっては初めての身近な死に戸惑った事を覚えています。
不思議な出来事はその日の事です。
私の母が、入院中の爺ちゃんの様子を見に病院を訪れると、爺ちゃんの第一声が「ブチに何かあったのか?」というものでした。
母が詳しく尋ねると、その晩、夢にブチが出てきて、爺ちゃんの病室に訪ねてきたそうです。元気だったころのようにスリスリしたり、膝枕したりして過ごした後、ブチが病室から出て行ったタイミングで目が覚めたそうです。
爺ちゃんは何とも違和感があり、母への第一声となったとの事。
目が覚めたタイミングというのも、確認するとおおよそブチが旅立った時間で、その話を聞いた家族で、なんとも不思議な話だ、と話していた事を思い出した話でした。
なお、数年後、爺ちゃんもとうとう亡くなった年、私が交通事故に7回あいましたが、いずれも無事だった、という話はまた機会があれば。
けだまのしっぽ
男性/42歳/東京都/会社員
2020-07-23 18:30