本日の案件
本部長、秘書 お疲れさまです
今日の案件ですが
信じてもらえない体験あります・・・
ある夏の日の出来事です
当時中学生の僕は黄昏時にひぐらしのなく田んぼ道を歩いて家路についていました。
田圃道なので当然見通しはきくのですが
いつもの帰り道のはずが遠くの方に見慣れない側道と
ひと一人通れるか程度の赤い鳥居、そして鳥居を抜けてのぼる細階段が見えてきました。
あんなところに神社なんてあったっけなぁ…
なんだかちょっと気持ち悪いなぁ…などと思いながら歩みを進めていると
鳥居の赤ちゃんの鳴き声が聞こえてきました
ひと気もないうえに見慣れない鳥居と赤ちゃんの鳴き声なんて絶対に良いことは無いからあの前は通りたくないなぁ・・でもここを通らないと かなり遠回りなんだよなぁ・・・
と仕方なくイヤホンをして素通りを決め込んだのですが
やっぱり鳴き声は聞こえてくる
そうこうするうちに体は鳥居の前に差し掛かる…
見なきゃ良いのに片目で鳥居の方に目をやると
鳥居の前に赤いランドセルの少女が立っていました
あ、目があった
そう思った瞬間
赤ちゃんの鳴き声は止み・・イヤホンをしているはずの耳には痛いほどのひぐらしの鳴き声
するとそのランドセルの少女が目の前でものすごい速さで20~30代の女性に成長したんです
その間もいっさい目を離さず そして微動だにせずにこちらを見つめる少女。
そして
こちらは近づいていないのに鳥居が勝手に距離を縮め 少女との距離は1m程度に。
目があってから距離を縮めるまで数秒の出来事。
そして目の前の女性は僕を見て悲しい声で語りかけてきたんです
「私を忘れないで」
小さい声だけどはっきり聞こえたその言葉
気づけば女性の姿は消えていましたが
その声だけはいつまでも聞こえてくる
だんだん胸が苦しくなりいよいよ窒息して気を失う寸前
僕は自宅の部屋の布団の上に横たわっていました。
夢の中で「私を忘れないで」と伝えてきた女性が
同じ言葉を囁きながら僕の首を絞めている状態で。
その女性はそのままスゥッと消えてしまいましたが
あれは霊だったのか悪夢だったのか…
いずれにせよ未だに僕はその女性を忘れることは出来ません。
あおくさい中堅
男性/41歳/東京都/自営・自由業
2020-07-23 18:50