忘れられないサービス案件
本部長、秘書、社員の皆様お疲れ様です。
初出社でございます。
私は今学生で、とある家電量販店の携帯売り場のスタッフとしてアルバイトをしています。
1ヶ月ほど前のお話です。
ご年配の夫婦がガラケーからスマホデビューしたいということで、機種変更の手続きにいらっしゃって、私が手続きを担当させて頂きました。
真新しいiPhoneを手にしたお2人はとても喜んで、楽しそうで、使い方を私に1つずつ聞きながらご夫婦で色んなことをお話し、本当に満足そうに帰っていかれました。
その1週間後、奥様だけが、旦那様の古い携帯と新しいiPhoneそれぞれを持ってご来店されました。
お話を聞くと、その3日ほど前、旦那様が亡くなられたとの事でした。
幸い、新しいiPhoneはロックをかけていなかったので中の状態が確認できましたが、ガラケーの方に旦那様が撮り溜めていた写真や奥様やお孫様とのやり取りは、もうボロボロのガラケーでいつ見られなくなってしまうか分からない状態でした。
奥様は、なんとか写真だけでも救出できないかと相談しに来てくれたのです。
当時私はまだ働き始めたばかりの新人でしたが、壊れかけで画面がついたり消えたりするガラケーと2時間くらい格闘し、メッセージは引き継いだりが出来なかったものの、写真は取り出すことに成功。取り出した写真を旦那様の新しいiPhoneに移してあげて奥様と確認してみると、奥様との旅行の時のツーショットや、お花を覗き込む可愛らしい奥様の写真、お孫様の写真などたくさんとりためてあって、奥様は「ありがとう、本当にありがとう」と涙を流して喜んでくれました。
それを見た私もつられて号泣。
奥様は新しいiPhoneと壊れかけのガラケーも大切に握りしめて、「お姉さんありがとう、絶対にお姉さんのこと忘れない、本当にありがとう」と、接客スタッフにとって最も嬉しい言葉を残して、帰っていかれました。
バイトで辛いことがあっても、思い出せば強くなれて、そういう人たちの為にも一生懸命やろうと思わせてくれる、私の「忘れられないサービス」です。
なふー
女性/23歳/神奈川県/学生
2020-08-04 17:47