ある小学生の父親は下っ端公務員で
ある小学生の父親は下っ端公務員で、上役にはペコペコ、民間人には横柄で、
「俺は公務員だ。公務員は偉いんだ。どんな大会社の社長よりも俺の方が偉いんだ。」
給料は安いのに、酒・たばこ・ゴルフが大好きで、でも、教育には全く理解がなく
「公務員は給料が安いんだ。安い給料でお前を育ててやってんだ。感謝しろ!」
「中学までは行かせてやる。義務教育だから、仕方ない。」
「高校には行かせない。金がもったいない。中学出たら、働け。」
「俺がゴルフ場の支配人に口利きしてやる。中学出たら、ゴルフ場でキャディーになれ。」
中学校の先生が説得してくれて、高校も、大学も行けたけど、
「大学は、何がなんでも国立に行け!」「慶応? お前には関係ない!」
本命東大、滑り止め慶応、というわけにも行かず、
地元の国立大学を受験し、合格したが、父親、ニコリともせず、おめでとうも言わず、
入学金を払う前日、父親は1万円札を「ひー、ふー、みー」と数えつつ、
「どうせ金を払うなら、東大に払いたいのに。お前、東大じゃないじゃないか!」
大学を卒業して、さすがにゴルフ場には就職せず、巨大企業に就職できたが、
父親曰く「大学まで行かせてやったのに、公務員にならないで、会社なんかに入りやがって。」
「俺は公務員、お前は会社員、俺はお前よりも永久に偉いんだ。」
子供の進学・就職に関しては、親子で、よ~く話し合うべし。
おしまい
オペラ座の怪人
男性/48歳/東京都/会社員
2020-08-16 07:29