分岐点
まだ夫と付き合う前、本格的に夫の元に行っていいのか迷っていたときの事です。
その日はたまたま各駅停車に乗っていてボケーっと考え事をしていました。
するとスカスカの車内で隣に座ってくる紳士的なおじいさまが。
「いや~妻が施設に入っていましてね~」といきなり話しはじめ私も暇だったので話し相手をしていました。
「都内の施設には入れてあげられなかった、妻には我慢ばかりさせてきた。」と奥さんへの悔しい気持ちをたくさん聞かせてもらいました。
おじいさんの降りる駅が先にきて、
「時間をいただいて申し訳なかったね。」と軽く手を振り上げて降りていかれました。
すると、いきなり振り返って
「幸せになるんですよ!女性は幸せになる権利がある。」
と言っていってしまいました。
その時なにかが弾けて、その日の夜、夫の気持ちに答えてお付き合いをすることになりました。
キンの嫁
女性/38歳/新潟県/会社員
2020-08-19 10:12