東京にて
東京の多摩地域で育ちました。ごみごみした都心の街が苦手で、そのような街を擁している東京なんて、好きではないと思っていました。
数年前、結婚を期に23区内に移り住みました。そして、今度は今年中に、東京ではないところに引越すことになりました。多摩から23区に来た時には感じなかった淋しさを感じました。「東京を離れたくない」と。
何だかんだで、東京の街は私のふるさとで、東京から安心感をもらっていたのですね。
引越しに先駆けて、今月から新しい街での仕事を探し始めました。その矢先に、スカロケから聴こえてきた、ヒグチアイさんの「東京にて」。渋谷の街、友だちの演奏を観に行った、国分寺や下北沢などのライブハウス、結婚のために実家を出る時の引越しを手伝ってくれた父など、今まで私が目にしたもの、耳にしたものが浮かぶような曲です。
今後、東京ではない場所に移ったら、恐らく東京に再び住むことはありません。また、今の職場は結婚前からお世話になっており、結婚後も旧姓を名乗っていましたが、新しい街での再就職の際は、新姓で入職するので、産まれた時の名字を名乗る機会もほぼ無くなります。これらのことが重なって、自分が自分じゃなくなるような気持ちになり、強い寂しさを募らせていました。
「東京にて」は、そんな私に寄り添ってくれる曲です。前述の「自分が自分じゃなくなる」ことを「新しい私になれる!」と思えるようになりたいと思いました。
結局、東京を離れることに対して、まだ急ぐ必要がないということと、私の気持ちが追いつかないということを理由に、転居は延期になりました。でも、いつかは必ず東京を離れます。
その時まで、もっと自分のふるさとの良いところを知っていきたいと思います。
長文失礼致しました。
ふぬきち
女性/35歳/東京都/会社員
2020-08-27 08:23