生を想う(2)
オイラは不届き者で、あなたの火葬埋葬は致しかねます。
アナタの生が終わった頃を見計らって、アナタにティッシュペーパー数枚を重ねてかぶせ、ビニールで覆った手でビクビクしながらつかみ、ビニールを手首から指の方へひっくり返して、ティッシュペーパーごとアナタを包み込み、口を結ぶ… という作業を恐る恐るするだけなのです。
そしてアナタは一般可燃ゴミとして生を終える。
同じ生を与えられたものとして、アナタをこのような葬り方をすることに罪の意識がないわけではありません。しかし、人として未熟なオイラはこれが精一杯です。
オイラのカラッポのアタマに悪魔の声がこだまする事もあるんです。
「階下へ落っことしちゃえ!」と。
軽すぎて振りにくいアタマを左右にブンブンと振って、人としてどうあるべきかを自問自答し思いとどまります。
この夏、オイラにこのような迷いを与えるキミたちを恨みます。
ナニユエ我が家のベランダなのか?
それも3度も!/(^o^)\
怖いもの見たさでベランダを覗くと、ほぼ命尽きていると思われるアナタが、水分のある排水管の方へと生命力を振り絞って移動しているのが見て取れます。
ぶ、不気味です…。
(終)
くみ
女性/65歳/東京都/黄色くみ広報室長
2020-08-30 12:21