いい奴だなと思った時
いつもおちゃらけて、いわゆる「モテ」とは無縁の私のことを、かつて好きだと言ってくれた友人のA君がいました。
A君は執事のように女の子を立てるのが上手く、お話も面白いため人気絶大な紳士です。
そんな人に言い寄られ、当時はなんとも思っていなかったはずがあっさりと好きになってしまいました。
ですが、ずっと相談に乗っていた親友の想い人もA君だったのです。
先に好きになったのは親友だから裏切れないし、何よりその子のことが大事だったので応援することに決めました。
グループで遊びに行く時など、傾きつつあるA君への想いには蓋をして、二人がいい雰囲気になれるよう暗躍し続ける日々。
その甲斐あって親友とA君が付き合えることになった時は嬉しかったです。
同時に心の奥底で人知れず失恋してしまった私は、笑顔のまま涙を少しだけ滲ませて「私っていい奴だな…」そう思いました。
あんにんとうふ
女性/31歳/東京都/アルバイト
2020-09-14 13:34

