【帰り道の風景…】 ~ エスカレーター篇 ~
通勤時、帰宅時に、通るエスカレーター
登りと下りの終点で、
エンドレスに抜け出せない奴が今日もいる
ある日は、リップクリーム、
またある日は、ガムか何かの包装紙が丸まったもの
そして今日は、名前がわからないけれどアレだ
良く西部劇とかの決闘の時に、
真剣勝負の二人の間を風に乗って割って入るアレ…
やんわりと纏まった、枯れ枝の球体みたいなアレ…
風で、コロコロコロコロ…って転がって何処かへいくアレだ
今日はそれのちっちゃいバージョンが
エスカレーターの登りの頂上で、
エンドレスに戯れている
お、抜け出せた♪って思ったら、
出口からの吹き出す風でエスカレーターへ戻され、
エスカレーターの頂上の終点の呑み込み口で
永遠と転がり続けている
ハムスターのエンドレスカラカラとは違い
こっちは強制的に転がされる分何処か、
可愛そうになってくる
でも、この名前のわからないやつの
思考は本人にしかわからないものだから、
もしかしたら、楽しんでるのかもしれない
そう想うと、そ…っとしておくのが一番だと思い
拾い掬い上げることをやめた
今頃、あいつは、
元気に自分の人生を幸せに全うできたろうか
どうだろう、、そうだと良いな…
~ つづk…ません ~
【終】
主人公 : 風でコロコロコロコロ転がるアイツ
ライバル1 : エスカ令太
ライバル2 : すきま風子
ナレーター : ギャラ
で、お送り致しました
ギャラは要りません!
男性/45歳/東京都/会社員
2020-09-19 18:34