案件
本部長、秘書お疲れ様です!
わたしの泥試合を昇華させてください。
まだ大学生だった頃、ちょっと不思議なオーラをまとっている先輩に惹かれてお付き合いすることに。
かなりスピリチュアルな方で、木と話したり精霊が見えたりするようでした。
文学を志している彼は、創作活動が大事だとほとんどアルバイトをせず、金銭的に苦しい暮らしをしていたため
わたしがバイトで稼いだお金で食事を御馳走することがほとんど。
そしてクリスマス。
わたしはインドネシア料理のサテという串焼きをメインにクリスマスディナーを用意。
彼に喜んで欲しくて、えび・ぶた・ぎゅう・とりと4種類の串を準備。
そしていざ食べ始めたら彼がとても悲しい顔をしながら耳を澄ませています。
なにかな?と思ったら
『一番美味しくいただける焼き加減を超えて、焼きすぎ。鳥さんや豚さんが泣いている』と。
鳥さん、豚さん、牛さん、えびさんに一番美味しい状態でいただけなくてごめんなさいと謝れ!と言ってきたのです。
そこからは謝れ謝らないの泥試合!
お互い一歩も引かず嫌なムードのまま解散。
すぐ別れればよかったのに、彼の創作活動を応援したい気持ちがありなかなか別れられず。
何度も何度も、クリスマスに無駄にした命に謝ってないとむしかえされました。
その度に謝らないとつっぱねて。
最後は謝る謝らない議論がエスカレートしすぎて、あの時の鳥、豚、牛、えびの命の方が君より価値がある!と罵声を浴びせられて別れました。
今思うと…ほんとくだらない事で意地になってしまいました。
価値観の合わない恋人とは、泥試合になる前に別れればよかったことを学んだ案件です。
みっぽんぽんぽん
----/44歳/神奈川県/自営・自由業
2020-10-05 18:05