長かった36時間
胃腸炎の襲来を受けたのは人生三度目のことだった。
一昨日、日曜日の早朝に腹部の激痛で突然目覚めた。その瞬間「あ、胃腸炎、来たかぁ」と諦めた。
症状が酷くなったのは三時間ほど経った午前八時頃から。
錐とか千枚通しとか五寸釘とか、そういう細くて鋭いもので腹の下から刺されるような痛みが10秒ほど。
これが10分間隔、5分間隔、そして最悪の時間帯には2〜3分毎に襲ってくる。
これが5〜6時間続く。
海老のように身体を丸め、歯を食いしばり、腹筋が目一杯硬くなる。
意識しなくても自然とそうなる。
その後は緩やかに回復し始めるが、最初のうちは痛みの間隔が5分、10分、20分と伸びるだけで、激痛であることには変わりはない。
ようやく痛みが緩み始めるのは最初の激痛から12〜13時間後くらいから。
それまではひたすら時が流れ過ぎるのを耐えて待つのみ。
過去二度の胃腸炎では病院に行ったが、今回は行かなかった。
行ったって治るわけではないのだ。
処方される薬は鎮痛剤と胃薬だけ。
その鎮痛剤はほとんど役に立たないと経験で知っている。
胃薬は鎮痛剤が胃壁を荒らすから一緒に飲むように、と処方される。
だったら何も薬に頼る意味はない。
激痛の時間が過ぎるとホッとするが、それでも2〜3時間おきにチクチクチクチクと痛む。
この頃になってようやく少し食欲が出てくるのだが、こんな時はお粥くらいしか食べる気になれない。
ところが、このお粥が何とも美味しいのだが。
普通に食べたり飲んだり、それが怖くなくなるのはチクチクを感じなくなってからのこと。
それが昨日、月曜日の夕方だった。
過去二度の胃腸炎では24時間で完全に立ち直れたのに、今回は36時間もかかった。
「今回が一番症状が重かったんだね」と女房は慰めてくれたが、それはきっと違う。
私が歳とったので回復力が衰えたのだ。
日曜午後の書き込みに色々と気遣いのレスを入れてくださった皆様、ご心配いただきありがとうございました。
個別にお返しできませんでしたが、悪しからず……です。
鴻の親父(おおとりのおやじ)
男性/66歳/埼玉県/居酒屋やってます
2020-10-20 15:59