乗り物珍トラブル案件
中学生の頃のお話です。
友人らと3人で電車やバスを乗り継ぎ、でっかいイオンに行く計画を立てていました。
親の車に頼らず行くことが大人への第一歩、という風潮が我が故郷にはあった気がします。
当時は携帯も持っていなかったのでバスの時刻表とにらめっこしながら乗車しました。
バス停の番号は間違いなかったはずなのですが、辿り着いたのは全く知らない病院でした。
来たこともない場所でうろたえながら、ダメ元でこのバスはイオンには行きませんか?と尋ねる私達に、運転手さんは全てを察した瞳で言いました。
「途中まで乗せていってあげるから、周りから見えないように座席に隠れて乗りなさい」と。
本来なら走ってはいけないコースを「回送」にして走り、バス停には停まれないからと、しかし目的地のすぐそばで降ろしてくれました。
お財布を取り出した際には
「乗車賃はいらないよ、今日はおごり。今度から気をつけるんだよ」と、言ってくれました。
ちょっと角度は違いますが、運転手さんの最後まで徹底したイケメンっぷりにみんなで頬を染め恥ずかしがった事件です。
あんにんとうふ
女性/30歳/東京都/アルバイト
2020-11-09 13:19