マスク越しの恋
マスク越しの恋、
そういえばありました。
それは、上野近くのスーパーマーケット。
マスクをつけた美人を発見。
わざと彼女のレジに並んだりしたものです。
そして、ドラマは進展するかと思われました。
ある日、私の利用する駅で私服姿の彼女を目撃。
「こんにちは」
「はいっ?」
「あの上野のスーパーの客なんです」
「あぁ、そうですか」
ちょっと、不審者ですよね。
その時は、それが精いっぱい。
後日、スーパーに行った時、私が会釈すると彼女が、
「こんにちは」と笑顔で返してくれます。
もちろん、マスク越し。でも美人。
私は名刺を渡しました。
その後も電車で会ったりしたのですが、
そこまで。
儚《はかな》い、束の間の恋は露と消えました。
bar亭主
男性/60歳/東京都/自営・自由業
2020-12-10 14:13