思い出話

ふと思い出したので、話したくなりました。
わたしが中学3年の時、同じクラスのとある男の子がいました。A君にしておきますね。
A君は、いろいろ大変な思いをしている子でした。
でも、とても努力家で、部活は野球部。勉強と部活、委員会の両立が上手で、まさに完璧でした。先生からも、生徒からも信頼が厚くて、文化祭の弁論大会では毎年代表に選ばれていました。
一方私は、彼とは真反対で、部活はやっていたけれど、テストの成績はそこそこ。先生からはあまり好かれる方ではないし、友達とのトラブルも多く。その時の私からみてA君は、なんだか面白くありませんでした。完全に羨ましい対象でした。
そんな彼と中学3年の時に同じクラスになって、自然と話す機会が増え、いつのまにか仲良くなっていました。何がきっかけだったか全く覚えていませんが、その子はいつも張り詰めたような、キツそうな顔をしている印象だったのに、ニカっとかわいく笑った顔を見たときに、なんだ、、ってなった気がします。
彼は、ずっと宇宙飛行士を目指していました。
受験シーズンの時は、何度も頑張ろうねと声を掛け合うほど、仲良くなっていました。
推薦入試の合格発表の時。わたしは見事落ちていました。そのあと授業があって、わたしは泣きたくて仕方がなくて、トイレに駆け込みました。
その日は午前授業で、進学先が決まっている子たちからしたら天国のような時間でしたが、またこれから勉強をしなければいけないのかと、こちらは地獄のような時間の始まりでした。そんな時、A君に私は、どうせ君は受かったのだろうと皮肉を込めて「どうだった？」と聞きました。「落ちちゃった。」と言われ、ものすごく後悔して、「私も。」と言いました。でも、彼はニカッと笑って、「また一緒に頑張ろう」と手を差し伸べてきました。迷わずその手を取りました。
それから、お互い一般入試で第一志望に合格しました。そうなると、もう卒業式まで一直線。
卒業式練習や、歌の練習が始まりました。
しかし、学年で唯一、私と出席番号が目の前の女の子の二人だけインフルエンザにかかり、時期的に卒業式は出られない説が浮上しました。

早々と卒業アルバムが配られ、みんなで寄せ書きもしていたであろう時に、私は布団の上でした。もう一人の子も、きっと。

続きます。（続きなくなんて初めて！笑）

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