続・恋バナ案件 〜勝手に案件やってます〜
「一目惚れ」をしたことはありますか?
私が一目惚れをする時、決まって風が吹きます。
今日はそんな一目惚れのうちの一つをお話しします。
ー大学の時の話ー
大人の気分を堪能したくて友人と2人、六本木の踊れるバーに行きました。
そこは外国人の集う、お洒落でエキゾチックな空間。しかしクラブほどのうるささはありません。
カウンターで飲んでると‥後ろからフワと柔らかい風が吹いてきました。
振り返ると、すらっと背の高い北欧系の男の子が入り口に立っていました。
透けるような白い肌と輝く金色の髪がそう思わせるのか、純白のオーラを纏った妖精のような男の子でした。
一目惚れの瞬間です。
彼が手を挙げて挨拶した先には、褐色の肌をもつ南米系のセクシーな男の子。
そちらの彼は友達のド・ストライク。
美しい2人の出現に驚かされた私たちは、こっそり目を合わせました。
しばらくすると、何の悪戯か南米系の彼が声をかけてきました。
「一緒に踊らない?」
友達は意気揚々とフロアに向かい、楽しげに踊っていました。
私は、踊るのは苦手という北欧系の彼との会話を楽しんでいました。
といってもお互いの言葉はわからないので、少しの英語とジェスチャーを交えての会話です。
「他言語を覚えるにはその言葉を話す人と付き合うのが一番手っ取り早い方法だ」
誰かが教えてくれた言葉を頭の片隅に思い出しながら、彼の伝えたいことを聞き漏らさないように一つ一つを丁寧に聴いていました。
その中で彼がポツンと放った言葉
「I…wish you were a ‥boy」
ん?ん?今なんて⁈
思ってもみない言葉が飛び出したもんだから、それが何語かも理解できず思わず聞き返す私。
要約すると、彼と南米くんは恋人同士。
自分はゲイで彼はバイセクシャル。
彼が自分を試すかのように楽しげに女の子と過ごすのが悲しいとのこと。
夢心地からハンバーグの空気抜きのように叩きつけられた私の心。
しかし‥チラと見た彼の悲しんでいるそのお顔も美しい‥。と、妙な感動を覚え、急遽応援サイドへ方向転換。
踊っている友達に無理矢理耳打ちし、彼らを解放することに。
恋のキャッチアンドリリースです。
その日は友達と2人、夜通し泣き笑いで語り合いました。
鮨詰めのゾウ
女性/43歳/埼玉県/会社員・スカロケ妄想党員
2021-02-06 10:57