案件
本部長秘書お疲れ様です。
10年前のあの時、不動産業で働いていて、営業からの帰り道、小田急線に乗っておりました。あの日は本当に大混乱で、地震によるマンションの状態確認、住んでいる方々の安否確認など、やらなければならない仕事もたくさんあり、3日程、家に帰ることができず、昼も夜中も働き続けました。
そんな4日目の朝、関西の本社から電話があり「○○の書類、まだ出てないんだけど、早くおくって?」と、優先順位がとても低い仕事の催促がきて、頭の何かがプツンと切れました。心身の疲労もあってか、相当に口汚い言葉で、怒鳴り散らしたことだけは覚えています。
その会社とは、その夏に退職。上司から何故やめるのか理由を聞かれ「震災の時、あなた方は建物の事ばかり心配して、社員の事は気にもとめなかったから」と答えました。
武田信玄の言葉に、有名な一節があります。
人は石垣、人は城、人は堀。情けは味方、あだは敵なり。
私の座右の銘でもありますが、どんなに立派な城を築いたとしても、一番大切なのは、そこで働く人だということ、です。
人を大切におもうこと、人を信頼すること、そのことについて深く考えるきっかけとなった震災でした。
ひろよす
男性/38歳/東京都/福祉施設職員
2021-03-11 01:07