3.11案件
10年前、私は都内のオフィスで勤務しており、幸い大きな被害はありませんでした。しかし、東北の営業所に勤務していた同期とは連絡が取れなくなってしまいました。
なんとか無事で、しばらくして連絡がとれましたが、彼は岩手の沿岸部で営業回りをしている際に被災したとのこと。営業車で高台に避難でき、少し前にバレンタインで我々女性同期陣から送っていたチョコレートを車に積んでいて、助かったと言ってもらえました。
しかし、彼は貴重な若い男手として、多くのご遺体を安置所に運ぶ手伝いをしたこともあってか、精神を病んでしまいました。仕事ができなくなり、東北を離れて本社に移った彼でしたが、その後回復して今はあたたかい家庭を築いていると聞いています。
「人それぞれ」という昨日の箭内さんの言葉どおり、見えない形でも心が傷ついた方はたくさんいるだろうし、それは震災に限ったことではないと思います。いつもみんなに優しい人でいることを忘れないよう、この先も生きていければと思います。
前世は猫
女性/41歳/千葉県/会社員
2021-03-11 12:37