擬人化案件②

本部長、秘書、リスナー社員の皆さん、お疲れ様です。
擬人化案件について、布団で寝っころがりながら考えてたら、隣の毛布からこんな声が聴こえてきました。

「今夜はちょっと冷えるけど、僕は暖かい。
思えば僕達の出会いは、君が実家を出て一人暮らしを始めた時だっけ。通販で購入して、家に招き入れてくれたんだよね。
君が初めての一人暮らしで不安だった夜も、仕事のことで落ち込んだ夜も、デートの前日でワクワクして眠れなかった夜も、いつもそばにいたね。
君が結婚した後も新居に一緒に引っ越して…
僕達が出会ってから、もう10年近くになるかなぁ。
最初はきれいだった僕の毛並みも、さすがにボロが目立ってきてる。
このところはよく奥さんにも「そろそろ捨てたら？」なんて言われてるよね。
でも、君は僕をかばって「まだいいよ」って言ってくれる。
君が僕のことを大切に思ってくれてるのは知ってるし、お言葉に甘えて、まだそばにいたいな。
だって今は、君の隣で眠ってる、息子くんを包んでるから。
今夜は冷えるけど、子供って体温高くて、とっても暖かい。
息子くんは、君の体に比べたら、まだまだ小さいね。
でも、息子くんが君と同じくらい背が伸びるまで、一緒に見守られたらいいな。」

1