徹夜明けと耳に心地よい音楽。
しばらくぶりに徹夜した。
徹夜明けの朝のモワッとした空気を入れ換えたくて窓を開けて深呼吸しながらベランダに出る。
カップに残っていた冷たくなってしまったブラックコーヒーを飲み干してタバコに火をつける。マンションの3階から見る外はまだ静まりかえっている。
「今日からまた緊急事態宣言か…フゥ〜」部屋に戻りレコード棚に手を伸ばす。ジャズばかり聴きながら徹夜したので、気分転換でたまには日本人のレコードでも聴こうと物色…「おぉ〜懐かしいな」と人差し指が1枚のレコードの角を傾ける。
「HI-FI SET / EYEBROW」…皆さんはハイファイセットというコーラスグループをご存知だろうか。その昔、赤い鳥というコーラスグループから独立した女性1人男性2人の3人組。初期の彼らは松任谷由実の荒井由実時代の曲を数多く歌いヒットさせた非常に洗練されたコーラスワークで日本の音楽シーンに新風を吹き込んだ。
そして確か1980年頃から4ビートジャズを日本語の歌詞で歌うという独自の音世界を開拓した。
今私が手にしているアルバム「EYEBROW」はそんな彼らの1988年の作品。
ジャズ好きの私もこのアルバムには身体がリズムを取り始めて「おぉ〜いいね」と頷いた当時を思い出した。
彼らにはとてもジャズっぽい洗練されたコーラスワークとその反面、日本人好みのとても歌謡曲っぽい部分を上手く使い分ける、日本では稀有な存在のコーラスグループだった。
もうとっくの昔に絶版になっているこの「EYEBROW」というアルバム…もし皆さんが中古屋さんなどで見かけたら、ぜひ聴いてみて欲しい。日本にはこんなに日本語を上手くジャズのビートに乗せて歌えるグループがいたことを…。
さて、新しいコーヒーを淹れて仕事を再開しよう。
コロンボ
男性/68歳/神奈川県/自営・自由業
2021-04-25 07:02