自転車案件
本部長、秘書、社員の皆様
お疲れ様です。
2011年3月11日。
あの日は金曜日でした。
土日を挟んだ翌月曜日…。私は悩みました。
当時私は税理士事務所に勤務しており
3月15日の確定申告期限までは仕事が休めなかったのです。
私には子供がおり、幼稚園の年中さんだった娘は友達が預かってくれると言ってくれて、それは本当にありがたかったのですが、自宅から職場までは約10キロ。
普段なら電車で乗り換え一回で40分もあれば行ける場所。
だけど、震災直後の公共交通機関はまったくあてになりませんでした。
頼りになるのは自分の足だけ。
迷わず自転車通勤を選びました。
道中、大きな橋を2つ越えなくてはならないので道のりはややハード。
今のように電動アシスト付き自転車は身近な存在ではなく、私もノーアシスト、オールバイマイセルフバイセコーでした。
上り坂はヒーヒー言いながら立ち漕ぎしていましたが、ふと周りを見ると、私と同じように子乗せシートを搭載したノーアシストママチャリのお母さんたちがたくさん都心に向かって突っ走っていました。
彼女達を見ながら
「子供のために
お互いがんばろうぜ」
と、心の中で呟きながら自転車を漕ぐ足に力をこめたあの数日間。
中学高校と6年間自転車通学した私ですが、あの数日間の自転車通勤が一番の思い出になっています。
ニョリマン
女性/57歳/東京都/会社員
2021-05-05 10:03