情けない出張
本部長、秘書、お疲れ様です。私は今日、年休です。
あれは15年くらい前の、思い出したくない出張です。
私は公務員ですが、年下の、いわゆるキャリア上司と二人で飛行機を利用しての出張した時の出来事です。
上司は、年上の私に気を使ってくれ、当時珍しかった、キャッシュレスでのチケット購入の仕方がわかるとのことで、予約を取ってくれました。
電話で予約を入れるのですが、キャッシュレスでの予約には、クレジットカードを登録する必要があったので、私はいつも持ち歩いているカードを登録することにしました。
出張は数週間から1か月くらい後だったと思います。
さて出張の日、羽田空港で待ち合わせて搭乗手続きをしようとしたところ、そう、ご期待どおり、いつも財布に入れていたはずの、絶対財布に入っているはずのクレジットカードが見当たりません!
何度財布を見ても、カバンをひっくり返してっも、スーツのポケットというポケットを裏返しても、ありません。。。
そういえば、数日前に買い物のときに妻にカードを貸してました(´;ω;`)
上司は落ち着いて空港職員に掛け合ってくれ、何がどうなったか覚えていませんが、なんとか搭乗券を発見してもらうことができました。
さてチェックインです。
セキュリティゲートを通ると、なぜかカバンにチェックが入りました。
「え~と、特殊警棒があるようですね。これはお仕事か何かで使いますか?」
目の前が真っ暗になりました。
しばらく前、深夜帰宅の際、家の近くで、当時はやっていた「おやじ狩り」のヤンキーに声をかけられた経験があったため、護身用に購入したものでした。
カバンから出して家に置いてくるのをすっかり忘れていたのです!
担当官とやり取りをし、特殊警棒は預けて、到着先で受け取るということで手を打つことが何とかでき、ギリギリで飛行機に搭乗することができました。
上司は苦笑い、笑わせてくれる係長だな、などとからかってくれましたが、情けなくて全く顔を上げられませんでした。
忘れたいけど忘れられません。絶対大丈夫だという自信があっても、必ず事前に確認する必要があることが身に染みた出来事でした。
世田谷じょん
男性/59歳/東京都/公務員
2021-05-24 18:29