社員掲示板

案件…忘れられないあの旅。

20代前半の頃、ニューヨークで出版社に勤めていた友人から手伝ってくれないかと誘われて、半ば旅行気分でニューヨークへ行きました。
友人が務める出版社はとんでもない忙しさで、旅行気分など吹き飛んで、連日雑誌の編集やイラストを描く毎日。休みは月に一度あるかないかという目まぐるしいハードスケジュール。
そんなこんなでいつの間にか1年が過ぎたある日、友人から業務終了…帰国の許可が出ました。
私は最後ぐらいはのんびりニューヨークの街を散策しようと適当にバスに乗ったのですが、なぜかバスはニューヨークの郊外へ…降り立ったところはすぐ向こうが大都会ニューヨークとは思えないのんびりとした田舎町。目立った店は自然食レストラン一軒とチーズの店と小さなドラッグストアだけ。しかしなぜか私はその町が気に入ってしまいました。都会とは明らかに違う時間の流れと穏やかな人達の話し声と優しさ。
あまりに気に入ってしまった私はその後2年間、その町に住んでしまいました。
とにかく居心地のいい町で厳しい冬の寒さも経験しましたが、雪どけの間から新芽が吹く春になり、夏は高く青い空の下で冷えたショート瓶のビールで身体を癒し、秋はまるで絵はがきのように色づく木々…そこには町を大切にする人達の愛情に溢れた気づかいが私の心に響きました。
「人生の最後はこんなところで終えたいなぁ〜」とつくづく感じられた2年間のニューヨーク郊外の生活でした。本当にいい旅でした。

コロンボ

男性/69歳/神奈川県/自営・自由業
2021-06-14 16:49

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