案件

本部長、秘書、お疲れ様です。

私の不思議体験です。
もう十数年前の夢の話です。
夢の中で私は祖父母の家の廊下の奥にいました。
夜なのか真っ暗だったのですが、玄関側からこちらにむかって来る人物が。
黒いフードを目深に被って大きな鎌を持つ、『死神』と言われたらまず想像するそんな姿をした人物でした。
その『死神』がスーッと滑るように近づいてくるのです。
焦らすように、ゆっくり、ゆっくりと近づいてくるのですが、何も出来ずに固まっていると、もう目と鼻の先も素通りしていき、廊下のつきあたりの壁に吸い込まれるように消えていきました。
夢はそこで終わりなのですが、それから少し後、その祖父母の家で飼っていた犬が亡くなってしまいました。
老衰によるものですが、その犬を飼っていたのが、件の廊下の壁の先にある庭だったのです。

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