ほっこり不思議体験
私の不思議体験。
先に言っておきます、怖い話ではないです。
それはまだ私が高校生だった10年以上前のこと。
夜中、寝ていると廊下の方から『カリカリ、カリカリ』というフローリングを引っ掻くような物音で目が覚めました。
なんだろう?と思いましたが、不思議と怖いという感じはしませんでした。
1分ほど聴いていて様子を見ようかと思いましたが、直感的に『あ、見ちゃいけないやつだ』と思いました。
すると同じ部屋に寝ていた弟と妹も目を覚まして、口の前に人差し指を立てて『シーッ』と二人も分かったようでした。
5分ほどしたでしょうか。
その物音が玄関から始まり、奥のリビングの方まで移動し、突然音がなくなりました。
その音がしなくなったのを確認して、廊下に出てみると両親も気づいていたようでした。
『なんだったんだろうね?』と話してカレンダーを見ると…『ミミちゃん49日』と記されてました。
あっ!と家族全員が思いました。あのカリカリするフローリングの音は、ウサギのミミちゃんがフローリングを歩く時の音でした。
モフモフした足が滑ってしまい、歩きにくそうにいつもしていたのを思い出しました。
10年生きた大往生のミミちゃん。
『きっと49日最後の日、お別れをいいにきたのかな?』なんて母は言っていました。
これが家族みんなが経験した、ほっこりした不思議体験の記憶です。
ハマの与一
男性/35歳/千葉県/会社員
2021-06-24 17:49