不思議案件
あれは6年前の出来事です
当時、劇団に所属していてキャスティングされた役の事で悩んでいました
キャスティングされたのは、老人役
しかもただの老人ではなくタイトルネーム、主演です
毎回ダメ出しで、「老人に見えない」「何回言ったら分かるんだよ!」とボロクソに言われてました
本番まであと1週間、あーどうしようと中野駅のホームでベンチに座って電車を待ってました
そして何気なく右隣を見ると、席を一つ開けて座っている人が、、!!
その瞬間オレの時は止まりました
そこに座っていたのは、茶色のロングコートを着て茶色のシルクハットを目ぶかに被り、茶色の杖に両手を乗せ、白い髭を蓄えたおじいさん
見た目はそのままクロノトリガーに出てくる、時の回廊にいる老人そっくり
ハットのせいでは表情は全く見えませんが、ただじーっと線路の方を見ていて動きません
こ、この雰囲気だ!!
オレがやりたかったのは!!と思いしばらく見つめていました
こっそり写真撮ってもバレないかなと携帯を取りもう一度右側を見ると、そこにはおじいさんの姿はありません
えっ??!と思いながら電車に乗りその日は帰りました
そしておじいさんと会ってからの稽古から劇的に役の雰囲気がよくなり本番も大成功!!
今でもあのおじいさんは、きっと舞台の神様が合わせてくれたんだと信じています
のいしー
男性/40歳/東京都/会社員
2021-06-24 18:26