『命懸け』と言われて思い出す。
元大関 栃東こと玉ノ井親方が現役時代、角界の八百長疑惑について聞かれ「命懸でやっているのに」と憤っていました。
栃東は立ち会い低い姿勢から、まず頭で当たり、その勢いで斜め下から、頭をつけて追っ付け、ハズ押しで体勢を崩し、押し出す戦法を得意としていました。
大型力士に対して少し背丈の低い栃東にはそれが最善の戦法かと。だから、取り組みが終わるといつも前髪はグシャグシャだった。
その戦法による弊害として衝撃による脳症の危険を診断され、若くしての引退を余儀なくされた。それはまさに「命懸け」だったのでしょう。
例えば、
討論番組で、出演者同士が渡り合うことを『がっぷり四つに組む』とかいいますね。それは力士の相撲人生に比べれば笑っちゃう表現かもしれませんが。
『序ノ口』『肩透かし』『勇み足』など相撲を起源とする表現はたくさんある。それを一般人が日常会話に用いたとて、相撲を軽んじているとは少しも思わない。
相撲はスポーツではなく神事。
持つべきは敬意。
言葉は言葉。
大事なものは個々の観客の中にある。
コーギモモ
男性/57歳/神奈川県/飲食業
2021-06-24 23:15