夏のノンフィクション案件
お疲れ様です。
前職での出来事です。
事件はある一本の電話から始まりました。
受話器をとり社名を名乗るも応答がなく、聞こえてくるのはけたたましい赤ん坊の泣き声だけ。
不穏な空気を感じ、何度か呼びかけるとやっと返事がありました。女性の絞り出すような声で投げかけられたのは
「うちの夫、そちらを退職したのでしょうか?」
電話主の女性は3ヶ月前に横領で退職を余儀なくされた社員の奥様でした。会社に行くそぶりはあるのに給料が入ってことを不審に思い電話をかけてきたそうです。小さい子供が3人いるのにどうしたら良いのかと電話口で泣かれました。
しかし私から詳細を話すわけにもいかず、総務部に繋ぐこととなりました。
その後、その家族がどうなったのかはわかりませんが、幸せに暮らしていることを願うばかりです。
鮨詰めのゾウ
女性/43歳/埼玉県/会社員・スカロケ妄想党員
2021-07-08 12:47