本日の案件

私のドラマみたいな話、聞いてください！
それは私が大学生のときのことです。
大学には、入学当初から仲良くしている男の子がいました。彼とは友達だけど何か特別。男女だけど親友のような、そんな関係でした。
3年生のとき、彼と同じゼミに入り、そこでも課題を一緒にやったり、同じグループで研究したりしていました。
そして、近頃のようなジメジメした梅雨の時期のある日、その日のゼミはお茶会のようなただの雑談会でした。私はその日朝からなんだかイライラしていて、天気もこんなだし、ゼミも今日はこれ意味あるのかなとか思いながら、愛想笑いしつつゼミ仲間とトークしていました。彼はテーブルの向こう側の遠いところにいて、そのときに直接話すことはありませんでした。
ゼミが終わり、教授と話す彼を、一緒に帰るために待っていました。話が終わり、彼が私のところに来ましたが、特にお互い話をすることもなく、そのまま歩き出し、一緒に駅まで歩きました。
歩いている中、一言も彼はしゃべりません。
え？なんで何も喋らないの？いつもは適当に何か話すのに。と思いながら、まぁでも別にいいか。と私は少し早足で彼の一歩先を歩いていました。でも、さすがに話さなすぎじゃない？どうしたの？と思い、彼の方を振り返って見てみると、、、彼は自分の顔を両手でくちゃくちゃにしながら変顔で歩いていました。
私はびっくりして噴き出し、「えっ！？何やってるの？！笑」と笑いながらツッコミました。すると、満面の笑みの彼が一言。
「やっと笑ったー！」
その、漫画やドラマでしか聞いたことないセリフに私はめちゃくちゃドキッとしました！「えっ、私笑ってなかった？！」と聞くと、「うん、ずっと。ゼミの時もずーっと笑ってなかった。たまに笑ってたけど、あれ愛想笑いでしょ。」「えー！まじかー！」なんてやりとりをしながら、私のイライラはすっかりほぐれ、駅につき、その日はバイバイしました。
ゼミの間、笑ってない私を見ていてくれて、心配してくれた彼。そして、なんとか笑わせたいと、考えた末に変顔をして歩いていたのか…と色々思い返すと、彼の優しさと愛情に帰りの電車でずっとほくほくしていたのを、今でも思い出します。いやー、今までの人生の中で1番のキュンワードです！

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