案件
皆様お疲れ様です。
波の音を聞きながら案件~夏のエモい話~
(恋の話ではありません。親子のお話です。)
私の父は海の街で生まれ育った、生粋のサーファーでした。
私が生まれてからは海からは少し離れたところに住んでいたので、子供の頃はよく週末には車で2時間かけて父のサーフィンを見に連れていかれました。
母と浜辺に座り、たくさんのサーファーの中から「どれがパパだろうねぇ」と言いながら2人で父を探していました。
あの時の少しベタっとした潮風と、途切れることのない波と音と、母と並んで座っていた石段の柄は今でも鮮明に覚えています。
そんな生粋の海の男な父は、よく私に「パパが死んだらハワイのノースショアに散骨してね」と言っていました。
子供の私はハワイ以外の単語がわからず「ん?」みたいな顔をしていたと思います。
そして私も大きくなり中学生になりました。
ある日父は突然亡くなりました。
亡くなってからしばらくして母と兄と祖母と私でハワイに行くことになりました。
そして父の望み通り、ハワイのノースショアに散骨をしました。こんなに大きい波日本で見たことない…と思う位の波で少し怖かったことを覚えています。もしかしたら父の大好きなノースショアの大波だったのかもしれません。
(散骨してよかったのか法律上のことはよくわかりませんが…)
そして母は父の願いを叶えました。
きっと父は今頃、大好きなハワイのノースショアと銚子の海を行き来しながらサーフィンをしているんじゃないかな?と大人になった娘は思っています。
トマトスープ
女性/37歳/千葉県/パート
2021-08-11 12:55