案件

本部長、秘書、社員のみなさま
お疲れさまです。
前職の食品メーカーの先輩がバケモノメンタルを持っていました。
数年前アメリカの港でストライキが起き、コーンとグリーンピースの輸入が止まりました。某ステーキチェーンにそれらを納めていた先輩が、欠品する旨の第一報をステーキチェーンのバイヤーに電話で伝えると、電話口から声が漏れるほどブチキレられていました。
すると先輩が私に「お前に本物の謝罪を見せてやる、一緒に来い！」と言い、勉強させてもらうことになりました。
ステーキチェーンの本部に着くと、先輩が「1000円あげるから、お前の持ってる小銭を全部くれ」と言い、渡した小銭をYシャツの胸ポケットに入れました。
商談部屋に着き、真っ赤な顔をしたバイヤーが登場。
先輩が「この度は大変申し訳ございませんでした！！！」と言い、頭を150度下げると、Yシャツに入っている大量の小銭が床に散らばりました。
先輩が「すみません！！すみません！！」と言いながら小銭を拾い始めると
バイヤーが笑いながら「お前は本当にバカだなー仕方ねぇな」と言い、小銭拾いを手伝い始めました。
その後の商談は和やかに進み、謝罪は完璧に終わりました
営業車に乗ると、先輩が「演技するのも疲れるなぁー今日はキャバクラ行くかなーがはは！！」と言っていました。バケモノメンタルに驚愕したのと同時に、この先輩だけは信用してはいけないと心に深く刻みました。

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