案件

本部長、秘書、社員のみなさま
お疲れさまです。
10年以上前に、山形県の小さな町に赴任していたときの話です。
朝、郵便ポストを確認すると封筒が入っており、中身はラブレターでした。内容は、①あなたのことを毎日見ている②お近づきになりたい③お話をしたいので、電話して欲しい。という内容でした。
地方都市だと普通なのかもしれませんが、東京出身の私は、知らない誰かにいつも見られていることや、どこに住んでいるか知られていることが怖くなり、固まりました。
申し訳ないと思いながらも、ラブレターを捨てることにしました。ただ、ゴミ袋を漁られる可能性も感じたので、証拠隠滅のため、封筒ごと手紙を灰皿に入れ、燃やしました。
燃やしきると灰皿の中に100円玉が入っていることに気がつきました。あまりに不思議な光景で、しばらくこの100円の意味を考えていたのですが、「この100円で電話して欲しい」という女性の気持ちに気がつきました。
きっと気配り女子だし、電話しても良かったかなと灰皿を見ながら思いました。

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