ドライバーさんとの思い出
みなさまお疲れ様です。
忘れられないタクシードライバーさんとの思いです。
時間を過ぎてしまいましたが、書き込みをさせてください。
今冷静に考えれば、正しくない行動もあるかと思いますが、ご了承いただき聞いて頂けると幸いです。
2011年3月11日のことです。
東京で学校の卒業式に在校生として参加をしていました。
大きな揺れがおきてパニックに。
専門学生でしたので自分の意思でその会場を離れ、自宅に帰ることにしました。
東京の東から西へ、通常なら車で1時間ほどで着くところにありました。
電車がすべて運休になっていることに気づき、
奇跡的に目の前にタクシーからお客様が降りるところに出会い、そのタクシーに乗り込みました。
なんの情報もない中、自宅へ向かっていただくことに。
車でもわかる揺れ、たわむ電線。
こんなことが本当に起きるとはと夢を見ているようでした。
流れてくるラジオで情報が入ってきました。
同じく卒業式をしていた会場で天井が落下したことを最初に、津波のこと、火災のこと、次々と入る情報に困惑をしていました。
実家には妹が1人、両親は関西にある祖父母の家におり、妹とも連絡がとれません。
焦っている私に、ドライバーさんは
「ちょっと混んでいるけど、ちゃんと送りますからね」と言ってくださいました。
聞くとドライバーさんは千葉の沿岸部の方。
ご自宅からの連絡がずっと携帯電話に来ているようでした。
しかしながら、そちらを見ることなく、私を送ることに専念をしてくださいました。
絶対に心配だったでしょうに。
新宿駅ではたくさんの人たちが紙に行き先を書きながら、タクシーの窓を叩いてきていたり、
甲州街道ではたくさんの人が歩いていて、
自転車屋さんの自転車が空になっていたり。
本当に現実なのかと目を疑うほどでした。
不安だった私に普通の時と変わらない声をかけてくださり、
千葉とはまったく反対の方向にむかってくださって、
急ぐだろうと一度もトイレにも行かず水も飲まず
送ってくださったドライバーさんに本当に感謝しております。
辿り着いたのは9時間後の日にちを回った夜中の1時。
端数はいらないからと、すっと去っていきました。
無事に妹にも会え、本当に忘れられない思い出です
ちいさい巨人になりたい
女性/37歳/東京都/会社員
2021-10-26 20:14