フリーメッセージ

本部長がお住まいの神保町の餃子店のスヰートポーヅの閉店を知ったのは昨年の春でした。還暦を過ぎた私が物心ついた頃から営業していた老舗です。
飲食店だけではありません。なじみの書店、映画館、ジャズ喫茶、中古レコード屋など、若い頃たくさんの時間を共有した場所が、嘘のように姿を消してしまいました。
だから私はふと空いた瞬間に、その店と店のあった町並みを思い返します。店内の佇まい、コーヒーカップの形や重さ、流れていた音楽など。
もちろんその記憶は時と共に薄れ、消え、また脚色されます。
けれど私が思い返せる間は、それらの店は唐突に断ち切られたのではなく、良い思い出と共に歩み去ってくれたと感じるのです。
店主の方々の思いは察することすら出来ません。
ただ皆さんの営まれたお店のおかげで、楽しい人生の時間を過ごした者がいた事を、放送を通してお伝えしたいのです。

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