キュンキュン案件
お疲れさまです。
前に働いていたお店の前にちょっとしたスペースがありました。そこは、夕方になると近くのダンス教室に通う子供たちを送迎するお母さんたちの井戸端会議の場となっていました。
ある時、お母さんが話し込んでいる最中に待っていた幼稚園くらいの女の子が暇そうにしていた私を見つけて「何してるの?」と話しかけてくれました。
それからしばらくその子は私の暇潰しの相手になってくれて、それ以来ダンス教室の日は私の暇潰しに付き合ってくれるようになりました。
私もいつしかダンス教室の日にその子の顔を見るのが楽しみになっていました。
しかし、その数ヶ月お店が閉店することになり、もうその子とも会えなくなることが決まりました。
最後の日、ダンス教室はお休みの日だったので残念に思っていたらその子がお母さんに連れられ私に会いに来てくれました。
お母さんの話によると閉店を知ってから、お母さんに字を教わりながら私に手紙を書いてくれたらしく、わざわざそれを渡しに来てくれたとのことです。
その子はうつむきながら無言で私に手紙を渡すとお母さんに抱きついて泣いていました。
私も涙をこらえるのに必死でした。
家に帰って手紙を読むと「いままであそんでくれてありがとう。げんきでね。わすれないからね。」と書いてあり、餞別のあめ玉が一個入っていました。
もう6年近く前の話しですが40過ぎてこんな胸キュン体験をするとは思いませんでした。
ちなみに、いただいた手紙は大切な思い出として今でも大事にとってあります。
(ラジオネームの主水は「もんど」と読みます。必殺仕事人が好きな人ならわかると思うんですが。)
中村主水セレクション
男性/53歳/埼玉県/会社員
2021-12-14 16:30