キュンキュン案件
僕は小学生の時凄いやんちゃ野郎でした。
それはもうその学校を代表するレベルの問題児でした。
その時の担任の女の先生には凄い迷惑をかけてしまいました。
でも実は僕の初恋の人でした。
先生に構って欲しいあまり、あえて怒られたりしていましたが、 先生にとって僕は厄介な生徒だと思われていたと思います。
そんな中、卒業式が近づいてきて、先生と離れる事がすごく寂しくなりました。
そこで僕は先生への迷惑をかけたことのお詫びと、淡い恋心を伝えたくて手書きのお守りを作って先生に渡しました。大好きという言葉を添えて。
あとから思うと、小学生が考えた拙い文書と、紙切れで作ったお守りを好きな人に渡した事に恥ずかしくなります。
それから僕は成人を迎え、小学校の同窓会に出席しました。同窓会にはその担任の先生もいて、恥ずかしさと先生から嫌われているのでは無いかと恐れ、自分から話しかけることは出来ませんでした。
しかし帰り際、先生の方から近づいて話しかけてくれました。突然の事に緊張して目を見て話せない僕に、最後に先生が一言。
「お守りありがとう」
そう言った先生の手には、財布の中から取り出した、小学校の僕が渡したお守りがありました。
忍び寄る餅
男性/--歳/神奈川県/会社員
2021-12-14 18:20