社員掲示板

鰯とか秋刀魚とか

七輪で団扇パタパタやりながら焼く。
あの匂いを思い出そうとするだけで……

昭和40年から45年の頃。
夏の夜に花火遊びをしたくても線香花火しか買えなかった。
商店街の肉屋さんで買ってくる揚げたてのコロッケはひとつ10円だったけれど、それが家族四人にはご馳走だった。
金もなく貧乏だったけれど、それでも毎日楽しくって、明日への希望だけは疑わなかった時代。

庭に置いた七輪、鰯を焼く父の姿、団扇の音。

今は七輪で魚を焼かなくなったから、もうあの匂いは記憶の中にあるだけ。

ガスコンロで鰯や秋刀魚を焼いても、あの匂いは立ち上がらない。
熾火になった炭に魚の脂が落ちないと、あの匂いにならない。
思い出そうとすると……

いかん、いかん。
昔を懐かしんでるだけのジジイの戯言になってしまった。

鴻の親父(おおとりのおやじ)

男性/66歳/埼玉県/居酒屋やってます
2021-12-21 18:28

レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。