社員掲示板

あの頃な、の読書感想文

本部長、秘書、社員の皆様お疲れ様です。
あの頃なを読んで思った事、ずっとどこかに書き留めておこうと思っていたのですが、話す場所も書く場所もなく今まで過ごしてきました。
今回、とても良い機会なので書き込みます。

読み終えて一番最初に思ったのは、きっと家城さんは、コロナがもたらした感情や出来事を、ポジティブ・ネガティブ関係なく残しておきたかったのだろうな、と思いました。そしてそれは、大成功を納めた様に思います。ラジオで長い事、様々な人間の思いに、本気で向き合って来た家城さんだからこそ出来たのでしょうね。
様々な環境や職業から見る、コロナがいる世界。ここ1、2年の間に、数年後には忘れ去られるような些細な変化が何度も繰り返し起きていて、それでもその時生きてる人達にとっては死活問題なこともあって。
変化に対応して、より快適に過ごす道を選んでる人たちも、本当はいるはずで。
同じ悲鳴をあげた人数が多ければ多いほど声も大きくなって、大きな声はたくさんの人に届きやすいけれど、本当は悲鳴の一つ一つに大きい小さいなんてなくて、それぞれが一大事で、一つ一つが心のこもった、忘れ去られてはいけない事だから。
いつか、今が「あの頃な、」と語られるようになったときに、いろんな一大事があった事を知ることが出来る、「記録」としてとても優れた読み物だ、と思いました。

なので、私小説やSFを期待し過ぎで読み始めると、少し物足りないかも知れません。ただ、読む時期によって見え方が変わる、とても幅の広いグラデーションを持った、色彩小説だと、私は思います。

みにしままぐなむ

男性/37歳/東京都/会社員
2022-05-12 18:01

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