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案件 傘もささずずぶ濡れ物語

本部長、秘書、みなさま、お疲れ様です!

小学一年生のとき、それまで専業主婦だった母が働き始めました。
父が亡くなったからです。

私は、父がいなくなった悲しみもあったけど、たぶん母を助けたい気持ちのほうが強くて、積極的に家事手伝いをするようになりました。

母が「暗くなる前に帰るよ」と言う日は、家の近くのバス停まで、母を迎えに行くこともありました。

その日も、私はいつものバス停まで母を迎えに行ったのですが、約束の時間になっても母がバスに乗っていませんでした。

しばらくすると、雨がザーザー降り出して、傘を持っていない私は頭から足まで雨に濡れていました。濡れたままバスを待ちました。まだ幼かったので、母に会いたい一心で、その場を離れたくなかったのだと思います。

どれくらい経ったのか。もしかしたら、ほんの10分くらいしか経っていなかったかもしれませんが、長く感じました。バス停から見える小さな電気屋さんのおばさまが傘を持って歩いてきてくれて、「お店の中で待ちなさい」と言ってくれました。

暗くなってから、母がバスから降りてきました。残業になって遅くなってしまったのだそうです。

あの頃は携帯なんてなくて、約束の時間に帰宅しない母をとても心配したことを覚えています。

小さなわたしを助けてくれた町の方々は、今頃どうしているのかな。今はもうその土地に住んでいないので分かりません。でも、あの時を思い出しては、心から感謝しています。

てつおの母

女性/45歳/神奈川県/専門職
2022-06-21 00:36

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