【案件】今は亡きお祖父ちゃん、お祖母ちゃんの味(タラの芽の天ぷら)
やしろ本部長、浜崎秘書、そしてリスナー社員の皆様、暑い中のご出勤おつかれさまです。
私の忘れられない味は、今は亡きお祖父ちゃん、お祖母ちゃんと食べたタラの芽の天ぷらです。
当時小学生だった私は、群馬の山奥の祖父母の家に帰省した際、お祖父ちゃんしか知らないタラの芽が生えている山奥へ一緒に連れて行ってもらいました。
草木が生い茂る山奥でパッと斜面が開けたところにタラの芽が群生しており、トゲトゲは軍手をしていてもかなり痛いのですが、がんばって摘んだ思い出があります。
本当に誰も来ない場所なので、そこらじゅうのタラの芽が取り放題という状態でした。
摘んだタラの芽でいっぱいになった籠を背負って帰ると、待っていたお祖母ちゃんが手際よく天ぷらにしてくれました。
台所にジュージュー(×10)と響く天ぷらを揚げる音に期待感が膨らみ、熱々の揚げたてタラの芽天ぷらをホフホフ(×10)と口に頬張ると、初恋にも似たほろ苦さの中にたしかに感じる春の息吹のようなしっかりとした旨味。
普段はうまい棒が大好きな子供ながらに、この世で一番美味しい食べ物はタラの芽天ぷらに違いないと感じていました。
かなり前に二人とも亡くなってしまい、その場所も数年前にダムに沈んでしまったため、もう二度と味わうことのできないあの味は、一生忘れることができません。
赤菱カンペオン
男性/49歳/埼玉県/会社員
2022-08-08 17:46