社員掲示板

本日の案件

私は以前中国料理の調理師をしていました。中国には乾物を戻す料理が多く、時間が掛かります。フカヒレや干し鮑などは皆様もご存知でしょう。
私の働いていた店は豚の角煮であるトンポウロウが名物で、これを代々半世紀以上変わらぬ、時間の掛かる調理方で仕込んでいました。
一日目。アバラ骨ごとの皮付きバラ肉半身の豚毛をバーナーで焼き、下茹でし血合いを除く。蒸し器に掛けた後アバラ骨を外し、一晩冷ます。
二日目。たっぷりの油で素揚げし表面を固める。薄味のスープで煮込み、下味を入れて余分な脂を除く。あら熱が取れたらバットに並べ、味入れをし、半日ほど蒸し器に掛ける。また一晩自然に冷ます。
三日目。充分冷めたのち取り出し、一人前ごとに切り分けて仕込み完了。
このように食材が届けられてから、お客様に提供できるまで三日掛かるのです。トンポウロウを目当てに来店される方も多いので、仕込み担当になってからは欠品にならぬよう、在庫と予約状況にいつも気をつけていました。どこか簡略できないかといろいろ試しましたが、やはり出来上りが違い、伝承された手間にはやはり意味があるのだと納得しました。端しの部分は味見も兼ね賄いになり、毎回みんな楽しみにしていました。

ロボタン勲章のボッチ

男性/65歳/東京都/会社員
2023-01-19 11:57

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