忘れられないあの女性
僕は今40歳です。32歳の時に生死を彷徨う大病を患って、身体障害者になりました。
今は静岡県の御殿場に住んでいますが、地元は埼玉県の所沢です。
小学校も、中学も、高校も、所沢です。高校を卒業してから働いた職場も所沢でした。
だから、地元は所沢です。所沢が大好きです。
さて、そんな僕は、今でも恋をしています。
出会いは、高校の時でした。
僕の高校は、偏差値51の、普通の県立でした。生徒数はわりと多くて、ひと学年350人ほどいました。
だから、知らない人もたくさんいました。
そして、彼女も知りませんでした。
初めて見た時、心臓が飛び出るほどにときめきました。
彼女は、小柄で華奢で、笑顔がとっても魅力的でした。
話しかけたい。ひたすらそう思いました。
だけど、当時の僕は、めちゃくちゃシャイボーイでした。
結局、何もできないまま卒業しました。
それからしばらくして、彼女を街中で見かけました。
彼女は幼いお子さんと歩いていました。それは、高校時代と変わらない、優しい笑顔でした。
僕はその時、声をかけたりはしませんでした。
ただ、心の中で、「いつまでも幸せでいてね」と言いました。二十代中盤のことです。
あれから十数年。今も思いだします。彼女の、笑顔や仕草を、、、
けいごん
男性/43歳/神奈川県/フーテン
2023-02-14 08:07