人は誰しも俳優案件
私の日常でかました小芝居は、
死んだふりです!
小5の息子が小2の時の話です。土曜日休みの私は、何時もより1時間程遅く起きるのですが、その日に限って息子が起こしに来ました。
「父ちゃん、起きて!」
息子は布団を剥ぎ取ります。
私は眉一つ動かさず、体もダラーんとしたまま。
「父ちゃん、起きて!」
今度は息子が私の体を揺すります。
ですが私は、体の力を抜き、揺らされるがままに。
「父ちゃん、起きて!」
息子は私の頬をパチパチしながら、親指と人差し指で私の左まぶたを広げます。
私はまぶたを開けられても全く瞳を動かしません。
そのうち息子は半開きの私の口元に、自身の耳を近付け私が呼吸をしているか確認し始めました。
私は呼吸を止め、体の力は抜きっぱなしで、死体を演じました!
すると……
「ひっひっくひっく 父ちゃぁ~ん グズっ」
なんと息子は泣き始めたのです。
私の顔に息子の涙がポツリポツリ。
私はゆっくりと体を起こし、「何泣いてるの?」と一言。
「だって!だって!ひっくひっく泣」
寝ているだけなのに泣くなよぉ~w
死んだふりに騙されて泣く息子に愛しさを感じた瞬間でした。
そして、
この子の為にも、長生きしなければいけないと思った瞬間でもありました。
りゅうじんの父ちゃん
男性/54歳/神奈川県/会社員
2023-04-24 16:08