大当たり案件

近所のお祭りの縁日に毎回出ていた
おもちゃくじのおじさん
「今日の大当たりは◯番、当たったらおじちゃんのバイクあげるよ」
私は毎回、くじを買っていました
そして！
なんとその日◯番を引きました

「おじちゃん、◯番だ！当たった！大当たり！」
とテンションマックスで叫びました
途端におじちゃんは
よそを向いて他の子と話し出したんです

「ええっー！、おじちゃん当たったよ！」
するとおじちゃんは
押すとベコベコなるブリキのセミのブローチを
放ってよこしたんです

もちろん
バイクをもらう気なんか鼻からありませんって
でも、おじちゃんの大人気ない態度に腹が立って
2度とおじちゃんのくじは引かなくなりました

この前、そこの縁日にあったけど
もう、おもちゃのおじちゃんいなかったなぁ
あの頃、何歳だったんだろ
おじちゃんはおじちゃんだから
幾つかなんてわからなかったもんね
もう死んじゃったのかもしれないなぁ

縁日の季節になると毎年思い出します

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