案件

皆さまお疲れ様です。
謝りたい先輩は、大学の時の、K先輩です。
先輩はよく僕に、お弁当を買ってきてと頼みましたよね。
先輩が頼むお弁当の定番は、『ロースカツ目玉マヨ弁当』でしたよね。
揚げたてのロースカツの上に、目玉焼きを乗せ、たっぷりの特製ソースにマヨネーズがかかった、めちゃうま弁当でしたよね。
何を謝るかというとですね、僕はいつも、ロースカツの真ん中の一切れを、こっそり食べていました。
真ん中を食べて、カツを中央に寄せる。そして目玉焼きを元に戻せば、完全犯罪でした。
先輩、ロースカツは、実は7切れあったんです。
いつも6切れにしてしまってごめんなさい。

先輩が酒に酔っていたある日は、ついに3切れを食べてしまいましたが、先輩は、『今日はやけにカツが小さいなぁ』と首をかしげながらも、お酒に酔っていたせいで全然気づきませんでしたよね。大盛りにしたごはんが、その日はたくさん残っていたのを、いまも鮮明に覚えています。
先輩、カツが小さいんじゃないんです、僕が食べたんです。
いままで黙っていてすみません。

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