我が子のごめんな祭
29年前の話。
今や32歳の長男が3歳だった頃、ある晩に長男と私とで風呂に入っていたんです。
ふたり向かい合って湯船に浸かり、アヒルのおもちゃで遊んでいた最中、湯船の底の方から大きな泡がひとつ、ボコっと浮き上がってきました。
その泡が弾けるとアノ芳しい臭いがプ〜ンと漂いまして。
「オナラしたんか」
ふたりでケタケタ笑いました。
笑う私を見た長男は、湯船の中でオナラすることは別に悪いことじゃない、と思い込んだようです。
それから数日経ったある晩、その日は長男と女房が一緒に風呂に入っていまして。
風呂場から突然響いた女房の『アャ〜!』
「どした?」
ドア越しに尋ねた私に女房が『まさ◯きがウンチしちゃった!』
「あ、じゃティッシュ持ってくるわ」
『ティッシュ?無理!』
長男は湯船の中でオナラして女房を笑わそうと思ったのだと。
ところが気体ではなく固体が出てしまったと……
『お風呂の中でオナラしないの!』と叱る女房に「だってお父さん笑ったんだもん」と応える長男。
『おとーさん!!!』
女房の怒りの矛先は私に。
長男と私のふたりでひたすらゴメンナサイ。
後で私が長男に「他所ではやるなョ」と言うと、
『他所でもウチでもやらないの!』と怒りがさらに増幅され。
それから5年経ち8歳になった長男は2歳の次男に向かって真面目な顔して「お風呂の中でオナラするな」と忠告していた姿に爆笑しました。
鴻の親父(おおとりのおやじ)
男性/66歳/埼玉県/居酒屋やってます
2023-08-31 11:41