お土産物語!案件!
本部長、秘書、社員の皆さまお疲れ様です。
20年ほど前の上京した年の夏休みの話です。当時、ITベンチャーで総務部に勤務し
社長秘書のような業務もしていました。
上京して初めて京都の実家に帰省しようと東京駅に到着した時、
当時勤めていた会社の社長から電話があり、
「今、東京駅の八重洲口に着いたからちょっと来て!」と呼び出されました。
向かうと、帝国ホテルのアップルパイとブルーベリーパイを両手に持っていて、
「これ!実家のお母さんに食べさせてあげて!僕のお勧めはブルーベリーパイだけど
一般的にはアップルパイが有名だから、両方ね!」と改札越しに渡されました。
「一番大きなホールだから、荷物増やしちゃって悪いけど」と
笑いながら渡すだけ渡して風のように帰っていった社長。
母子家庭で育った事も、母が一人で実家暮らしをしている事も、
私が仕事でいっぱいいっぱいでGWには帰省すら出来ていなかった事も
全部知っている社長の気遣いに涙が出そうでした。
アップルパイは、当時は帝国ホテル内のケーキショップでしか買えなかったし、
賞味期限が2日ほどしかなく、出来るだけ美味しい状態で
持って帰って欲しかったと、後で聞きました。
凄く嬉しかったし本当に美味しかったのですが、
母と私で2ホールを2日で食べきれる訳もなく、実家の友人やご近所におすそ分けしました。
でも、何より、母にとっては「わざわざ休日にホテルにアップルパイを買いに行って
東京駅まで渡しに来てくれるほど、よくして貰っている」という事が
一番のお土産になったようです。
こうぞう
女性/46歳/東京都/会社員
2023-09-05 13:57

